
14/11/05
嫌な話で申し訳ない。
二十年ほど前、当時俺は大学生で、夏休みに車で田舎の実家に帰省していたときだった。その時はいつも帰省時に通ってる道とは別の道を通っていった。
見渡す限りの山や田んぼに囲まれた、いかにも田舎って感じの道をしばらく運転していたとき、少し先の山の入り口みたいなところに赤い鳥居が建っているのを見かけた。
とても寂れた雰囲気がよかったので、車を停めて、ぶらりと立ち寄ってみることにした。赤い鳥居をくぐると、勾配のきつい石段があり、山の上の方まで続いていた。
ひと気は全くなく、周りは木々に囲まれ、薄暗く、石段にはびっしりと苔が生えて、足元に気を付けながら登っていった。
階段を上りきると、すぐ目の前に小さな社があった。もう何十年も人の手が入ってなかったのだろうか、その社はひどく朽ち果てていた。
せっかくなので、手を合わせ参拝した後、石段を下りて、実家に帰省した。その時は特に何もなかった。
しかし、その日から変な夢を見るようになった。
夢の中で俺は例の神社に行き、鳥居をくぐって、石段を上がって、社の前で参拝して、石段を下る、という全くあの時と同じ行動をしていた。そして三日三晩その同じ夢をみた。
さすがに気味が悪くなったが、4日目以降はその夢を見ることはなくなり、気にはなっていたが、その後は特に何事もなく過ごしていた。
それから十年以上たち、結婚もし、子供はいなかったが、それなりに幸せな日々を過ごしていた。あの神社も不可解な夢のこともすっかり忘れていた。
ある年のお盆に、嫁と実家に帰ることとなった。途中で近道をしようと見知らぬ山道を俺は進んでいったせいで、道に迷ってしまった。
途方に暮れていると、お婆さんが道端で歩いていたので、道を聞くとニコニコしながらていねいに教えてくれた。
お婆さんにあいさつをして、教えてもらった道をしばらく運転していくと、見覚えのある道に出た。安心よりも、凄い嫌な気持ちになった。
なぜならその道は例の神社がある道だったからだ。しかし、戻るわけにも行かないのでそのまま進むことにした。
赤い鳥居が見えてきた。俺は気にせず通り過ぎようとしたが、赤い鳥居の前に誰かがいる。見てはいけないと思いながら見ると、さっきのお婆さんだった。
お婆さんはニコニコこちらをずっと見ていた。俺は怖くなって、車でスピードを上げ、すぐにその場所から去った。
しばらくすると、いつも通ってる道に出て、少し安心したところで、ふと助手席の嫁を見ると、嫁の顔が蒼白になっていた。
アレを見たのか?と口には出さず心の中で思いながら、どうしたのか聞いてみると、何かおかしい。
嫁が言うには、確かに鳥居の前に人がいるのを見たが、俺が見た「お婆さん」ではなく、嫁が高校時代に自殺した同級性の女だったというのだ。
自殺の原因はいじめらしく、嫁は直接はいじめに加担してなかったが、見て見ぬふりをしてたとのことだった。しかし、ずっとその事を気にはしていたらしい。
俺は嫁に気のせいだよとさとしながら、気丈に振る舞いながらも、あのお婆さんが俺達をあの神社に誘ったのか?など、いろいろ考えながら、運転していた。
俺はあの神社の事、俺が見たのはお婆さんだったことなど嫁には黙っていた。とにかくすごく怖かった。
その日から、嫁が夢をみるようになった。内容を聞くと、例の神社に行き、石段をあがると、社があって…
実際に神社へ行ったわけでもないのに、俺がかつて見た夢と同じだった。ただし大きく2つ違うところがあった。
一つは参拝して帰ろうと振り向くと、目の前に例の自殺した女が現れて、そこで目が覚めるのと、もう一つは、もう数十日たっても同じ夢を見続けることだ。
嫁は元気もどんどんなくなり、病院につれていくと鬱と診断された。ほとんど寝れてないせいか、目も虚ろになってる場合がほとんどだった。
俺があの神社に立ち寄り参拝してから十数年、ようやく理解した。俺はずっと祟られていたのだと。
今思えば、帰省時、あの道は普段絶対に通るはずのない道だった。なのになぜか、通ってしまった。何かに呼び寄せられたのか?
とにかく嫁に本当に申し訳ないことをしたと思っている。
さらに数年がたった今でもかつての幸せな日々は戻ってこない。嫁が自殺しないか常に気を配る毎日だ。
コメント
コメント一覧
自分だったら直ぐにお祓いに行くけどなぁ…
病院行っても治らないの分かるでしょ
一本数百円で。
どうやって信頼できる霊能者をみつけてくるんだ?
小説としての出来は判断出来ないけれど。
呼んでるのは確かみたいだから、自分ならその神社のことを調べてからもう一度行ってみるね。
とりあえず伊勢神宮とか出雲大社とか皇居とかバチカン市国とか、桁違いに権威があって神聖な所へ行けばいいんじゃないかな。
とにかく嫁が不憫。
伝があるなら別だけど、誰かに相談しても信じてもらえないかもしれないし。
※10
ここにまでそんな話持ち込むな。
喚きたいなら政治関係のまとめに行けよ。
共産党と同じレベルのカルト宗教だと言い張るなら別だけどな。
加門七海の祝山思い出した。
しかしこの夫婦いま大丈夫かな?
それとも人々から信仰されなくなった神様自身が祟るのか。
何にせよ、神社だからと安心してホイホイ行くもんじゃないね。
みさき神みたいに、死者を祀っている社が寂れるとまずいことになる場合もあるらしいが…。「俺」は何ともないんだし、さほど害のある存在に付きまとわれているとは思えない。
嫁は単に、神社をきっかけにいじめをしていた過去が蘇ってしまったんじゃないの?
まずは心療内科、どうしても祟りの疑いが消えないならまずはその神社の由来を調べてから、夫婦でお祓いに行くことだな。
全く忘れ去られていたもんだから、この男が参拝してくれたのがよほど嬉しかったんじゃないのか?
山神は、この男に自分意外の女がいることが気に入らなかったんじゃない?そう考えたら辻褄合わないか?
山神は女であるというし、奥さんに嫉妬したと見える。
あいてが神じゃ叶わんから諦めるべし。奥さんとははやく離れた方がいい。
それ、祟られてるんじゃないわ。
おばあさん、ニヤニヤじゃなくてニコニコしてるやんけ。
滅多に参拝されない社に偶然とはいえ参拝してくれたのが嬉しかったんだよ。
嫁は祟られてるんじゃなくて、そこの神様が助けようとしてくれてるんだ。
嫁とキチンと参拝に行って来い。
あなたはどなたですか?
っていうか祟りかは分からんけど
どう考えても その婆さん悪い意味で普通じゃない ↑のコメント ニコニコしてるから良い人(霊?)だと言いたいのか?本気で言ってるなら恐ろしいわ 悪い霊は、ニヤニヤするものだと思い込んでるのか?それに喜んでるとは限らない、助けてくれようとしてるのかも分からない。なんで言い切れる?もしそうなら、説明がつかなくなる事腐るほどあるけどね。 人の馬鹿よわばり出来る 立場じゃない。
なんでそんな自信満々にもの言えるのか不思議。
良いか悪いかは不明
ただ、報告者の表現か思考が大げさなので悪い方に考えすぎだけの気もする
例
夜、夢を見るだけなのに「三日三晩その同じ夢をみた。」夜だけでしょ?
昔、参拝の夢を3回見ただけなのに、そこへの道に気付くと「凄い嫌な気持ちになった」
「俺はずっと祟られていたのだ」
「何かに呼び寄せられたのか」
「嫁が自殺しないか常に気を配る毎日」
一方、嫁の罪悪感の強さは過剰かつ異常
車中から見かけただけで、いじめ自殺の同級生だと「顔色が蒼白になる」ほど確信
「イジメを見て見ぬふりをしてた事を、ずっと気にはしていた」
共依存の可能性もあるし、受診を強くお勧めしたいが、まとめサイトだしなあ
無くても親戚先祖辿れば一ヶ所くらいあるでしょ
邪神(悪魔)は地獄へ落ちて、永遠にもがき苦しんでいるわ
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